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【海外情報レポート】ホーチミンから見た隣国カンボジア(ホーチミン)

 ▼はじめに

   この2年間、日本企業のASEAN進出が急増している。日本の人口減少に伴う市場の縮小、取引先の海外移転、急速に進んだ円高などがその理由として挙げられるが、国内が縮小していく中でパイの拡大が続く海外、特にASEAN域内での事業拡大は日本企業にとって急務と言える。こうした中、日本企業も投資最適地を探す旅が当面、続きそうである。

今回は、ホーチミンにおいても問い合せの多い、隣国カンボジアについて言及することにする。

  

ベトナムからカンボジアへ陸路向かうトラックの列.JPG

ベトナムから陸路でカンボジアへ向かうトラックの列

 

▼カンボジアの概況

 面積181,035㎢、人口1,410万人(2010年)のカンボジアは2012年、7.0%の経済成長、一人あたりGDPは901USドルに達することが予想されている。GDPの産業別内訳(2011年)を見ると、農林水産業(32.8%)、縫製業(9.0%)、建設業(6.1%)、観光業(4.5%)等となっており、輸出品目では衣類および衣服付属品が大半を占める。

 内戦を経験したカンボジアでは、国内産業が壊滅的な打撃を受けたため、外資誘致による国の発展、国民への就業機会の提供を目指している。そのため、政府は優遇措置適格条件(QIP:Qualified Investment Project)を設け、製造プロジェクトに対しては様々な条件があり、QIPに認定されれば法人税・輸入税の免税措置等が享受できる仕組みとなっている。また、QIPと同様の優遇措置に加え、付加価値税が免除となる経済特別区(Special Economic Zone:SEZ)の設置も積極的である。

 

▼ホーチミンとの関係

 カンボジアの首都プノンペンは、日本政府が支援する南部経済回廊によってホーチミンと結ばれており、交通状態がスムーズであれば、トラックでも片道5時間程度で行き来できる。

プノンペンは内陸に位置しているものの、メコン川を通じたベトナムへの往来が可能であり、実際、物流面では陸路またはメコン川の水路を利用してホーチミンまで荷物を運び、そこから日本向けに出荷するパターンが多い。

現在、カンボジア南部において、深海港であるシハヌークビル港の整備が日本の援助によって進められているが、現時点では、特に日本向けの貨物の運搬はホーチミン経由の方が日数の短縮が図れることから、この状態は当面続くものと想定される。

 また、在ホーチミン日系企業には在カンボジア日系企業からの引き合いも多くなってきている。産業用ガス、鉄鋼といった業種はカンボジアには皆無であり、ホーチミン近郊から陸路、供給を行っている。

 

▼最後に

 カンボジアへの進出にあたっては、①労働力の確保、②賃金、③電力、④環境問題(特に排水)―が最大の課題となっている。

労働力については、地方に求人のためのキャラバン隊を出すなど、各社、頭を抱え始めている。また、最低賃金は各国に比較すると低く抑えられているものの、各種手当の支給が必要となる。

 各社の事情により最適地の条件は異なるが、下調べを入念に行うことが重要である。

 

 

従業員の退勤風景.JPG

  

カンボジアでの現地人従業員の通勤風景

(ホーチミン日本商工会 事務局長 西田昌弘)