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【海外情報レポート】豪州最大の州!ニュー・サウス・ウェールズの基礎知識(シドニー)

 シドニー日本商工会議所のあるニュー・サウス・ウェールズ(NSW)州は、オーストラリアの金融・経済の中核をなす州都シドニーを中心に、全オーストラリアの人口の3割強を占める豪州最大の州である。NSW州は、オーストラリア大陸の南東部に位置し、首都キャンベラ(首都特別区)も、同州にぐるりと囲まれている。

 政治面では、2011年3月の総選挙で16年もの長期にわたった労働党政権から、自由党・国民党の保守連合が全93議席のうち69議席を占めるという圧勝で州政権を奪取している。政権を勝ち取ったバリー・オファーレルNSW州首相は、インフラ政策の中心的役割を果たす機関となるInfrastructure NSWを設立し、同機関の権限を定めた法律を制定するなど、NSW州政府内において、インフラ政策を実行していく体制を整備している。当所でも、Infrastructure NSWの発足当初、同機関のグレイナー議長(元NSW州首相)をスピーカーに、同機関の目的・役割をはじめ、オファーレル新政権下でのNSW州のインフラ整備の方向性等について説明を受けるとともに、大変貴重な意見交換の機会を持った。 

 

 

13年1月10日号 グレイナー元NSW州首相.JPG

 

   経済面では、州内総生産(GSP)が2010/11年度は419,895百万豪ドルと、全オーストラリアの31.8%を占め(豪州政府統計局調べ)、国内で最大の規模である。

 昨今、オーストラリアの最大の貿易相手国は中国となっており、日本の影響力が相対的に弱まっているが、NSW州にとっては、依然として日本が最大の貿易輸出相手国であり、経済的に最も日本と緊密な関係にある州といえる。

 名目州内総生産額の産業別内訳から見ると、シドニー等の大きな金融・商業都市があることを背景に、金融・保険、不動産、サービス関係の生産額のシェアが高くなっている。

 

 

名目州内総生産(GSP)の産業別内訳(1011年度).png

 

  なかでもシドニーには、オーストラリア連邦準備銀行(RBA)、金融監督庁(APRA)、オーストラリア証券投資委員会(ASIC)等、連邦政府の金融関連機関の本部が集中して置かれており、また民間金融機関でも、オーストラリアの上位1、2位のコモンウェルス銀行、ウェストパック銀行の本部や、日系3大銀行の全ておよび政府系金融機関(JBIC)の豪州内での本部もシドニーに置かれる等、金融・経済の中心としての強固な基盤がある。

 鉱業や農業のシェアは低いが、州内で生産されている石炭や小麦の多くは日本向けに輸出されており、また、州内で採掘された石炭の約半分が日本向けに輸出されている。州内の小麦は、プライムハードと呼ばれる品種で、たんぱく質やグルテンが多く含まれており、日本では主にラーメンの麺の材料として利用され、ラーメン業界の方や、ラーメン好きの方から、高い評価を得ている。

 また、豪州内のお米の多くが、シドニーから南西へ約500キロ、ビクトリア州との州境のあたりに広がるNSW州のマランビッジ灌漑農業地帯のリベリナ地方で作られている。ここで生産されているお米の品種は、ジャポニカ系の中粒種が主流となっており、国内のスーパーでよく見る有名なサン・ライス社もこの地域にある。

 

(シドニー日本商工会議所 事務局長 八田 城之介)