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【海外情報レポート】ベトナムにおける省エネルギー法令整備の動向(ホーチミン)

▼省エネルギー関連法令の制定

 エネルギー需給がひっ迫するベトナム政府は2010年から12年にかけて省エネルギー関連法令の整備を進めてきた。ベトナム商工省の調べでは、エネルギー消費量は年率10%以上、過去10年間でおよそ3倍にまで増加しており、ベトナムにおける省エネの推進は急務といえる。こうした状況において、2010年6月17日の省エネルギー法制定以降、指定事業者の規制や省エネラベリング制度の具現化が進められ、法律1、首相令3、政令2、商工省省令3、交通運輸省省令1から構成されるベトナムの省エネルギー法令の全体像がようやく明らかになってきた。

 

▼指定事業者に対する規制

 省エネルギー法実施細則(Decree No.21/2011/ND-CP)において「毎年のエネルギー消費が原油換算1,000トン以上の製造所もしくは500トン以上の事業所」は指定事業者と定義され、国家資格であるエネルギー管理士の任命義務、毎年および5年毎のエネルギー管理計画書・報告書の提出義務、3年毎のエネルギー診断の受診義務-を課せられることとなった。指定事業者は今後、毎年公表される予定であり、2011年度の指定事業者は1,192社に及ぶ。

 

▼省エネルギーラベリング制度の導入

 省エネルギー法に規定されるエネルギーラベルの対象機器リストおよび実施ロードマップを定めた首相令No.51/2011/QD-TTgによれば、エネルギーラベルの貼付、エネルギー最低効率レベルに関する規定は次のとおりとなっている。

エネルギーラベルの貼付が必要な対象製品は家電製品(蛍光灯、エアコン、冷蔵庫、家庭用洗濯機、炊飯器、扇風機、テレビなど)、事務機器(コピー機、PCモニター、プリンター、業務用冷蔵庫など)、工業用設備(配電用トランス、電動機など)、輸送機器(7人乗り以下の乗用車)で、このうち家電製品、工業用設備は2013年1月1日から、輸送機器は2015年1月1日からラベル貼付が義務づけられる。ただし、事務機器は2014年1月1日から業務用冷蔵庫のみ強制適用となるが、それ以外は任意である。

エネルギー最低効率レベルに関しては、2013年1月1日より消費電力60W以上の白熱電球の輸入・製造・販売が禁止されるほか、家電製品(2014年1月1日~)、工業用設備、事務機器(2015年1月1日~)についても、科学技術省が5年ごとに公表する基準をクリアできない製品の輸入・製造がそれぞれ禁止される。

今後、対象製品をベトナムで製造またはベトナムへ輸出する際には、認定を受けた機関による試験を受けたうえでベトナム商工省へ申請し、認証を受ける必要がある。特に、政府機関などの国家予算による調達に関しては、2013年1月1日以降、エネルギーラベルの認証等が原則必須となる。

 

▼ベトナムにおける省エネルギー政策の支援

 ベトナムのような発展途上国にとって、自国の経済発展とエネルギー需給のバランスをとることは難しいため、ベトナムの省エネルギー政策策定にあたっては、2008年の省エネマスタープラン調査を皮切りに、独立行政法人国際協力機構(JICA)が継続的に支援を行っている。JICAでは、今後も、エネルギー管理・診断制度の定着に向けた人材育成等の事業を実施する予定である。日本企業の優れた省エネ技術の導入にベトナムが関心を示すのも、こうしたJICAの地道な活動が下支えしているのである。

 

 

 

 

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 (ホーチミン日本商工会 事務局長 西田昌弘)