日本商工会議所・地場産業活性化小委員会

3地域で現地視察会を開催

平成13年10月2日

流通・地域振興部


 日本商工会議所の地域振興委員会の下に設置する地場産業活性化小委員会(委員長:京都商工会議所・小堀脩専務理事)は、地場産業の現状把握と対応策を研究することを目的に、下記3地域で現地視察会を実施している。

○京都地域(平成13年9月3〜4日実施)

○金沢・高岡地域(平成13年9月10〜11日実施)

○伊万里・有田地域(平成13年9月13〜14日実施)

 

<問い合わせ先>  日本商工会議所 流通・地域振興部
住所 : 100-0005  東京都千代田区丸の内3-2-2
TEL : 03-3283-7839
FAX : 03-3211-4859
e-mail: Ryustu@jcci.or.jp
URL : http://www.jcci.or.jp/

○京都地域

 京都地域の視察は9月3〜4日に開催し、委員11名が参加した。

 京都地域視察内容は、以下のとおり。

【9月3日】

<説明>

・「京都の和装業界現状と商取引改革について」

京都和装産業振興財団 副理事長(同財団・流通構造改革委員長) 房本 清次 氏

(概要)業界特有の商取引慣行について適正化をはかるべく、京都和装産業振興財団の中に設置した流通構造改革委員会の取引改善に係る活動について説明を聴いた。

・「西陣織の振興策について」

西陣織工業組合 専務理事 碇山 俊光 氏

(概要)西陣織は、海外輸入品との競争により厳しい状況にあり、輸入品との差別化を図るための振興策について話を聴いた。

<視察>

・「清水焼団地」

(概要)清水焼団地協同組合の山中^一・会長から、現在地(京都市山科区)に移転するまでの経緯等について説明を聴き、その後組合会館の1フロアーを若手後継者に安価な賃料で提供する後継者育成施設を視察した。  

・「京都仏具団地」

(概要)京都伝産仏具工芸協同組合の薮下清二・理事長から、中国等からの輸入品に対する対策や後継者育成等について話を聴いた。視察では仏具等の製造に係る事業所(漆、金箔、飾金具等)が集積する地域を見学した。

【9月4日】

<視察>

・「京都伝統工芸専門学校」、「京都国際建築技術専門学校」

京都府、園部町、伝統工芸産業界が設立した(財)京都伝統工芸産業支援センターによって運営されている「京都伝統工芸専門学校」、及び「京都国際建築技術専門学校」の設立経緯や概要について、同センターの新谷秀一・理事長から話を聴いた。

<説明>

・「京都新光悦村について」

京都府 企業局 理事 下田 元美 氏

(概要)京都府が計画するものづくり、伝統産業をテーマとした「新光悦村(※)」の目的及び構想等について話を聴いた。

(※)江戸時代の芸術集団の中核であった人物・本阿弥光悦が開いた「光悦村」に由来している。

<陶器の製作工程を視察する委員(京都伝統工芸専門学校)>

 

○金沢・高岡地域

 9月10日に金沢、11日に高岡を視察し、委員12名が参加した。

 視察内容は以下のとおり。

 【9月10日・金沢】

<説明>

・「伝統産業の現況と金沢商工会議所の支援体制」

金沢商工会議所 商工振興課長 大崎 正直 氏

(概要)伝統産業の歴史や現況、また、会議所、県、市等で構成の「石川県伝統産業合同見本市実行委員会」が実施している「いしかわ伝統工芸フェア2001」についての説明を聴いた後、金沢商工会議所が所蔵している伝統工芸品を見学した。

・「金沢市の支援体制」

金沢市商業振興課長 廣田 健 氏

(概要)後継者育成や工芸品の販路拡張、製品開発、研修制度といった、伝統産業に関する市の支援策についての説明を聴いた。

<視察>

・「石川県伝統産業工芸館」

(概要)石川県伝統産業工芸館館長・林樹氏から、説明を聴いた。当館は加賀友禅や九谷焼など、県にある36業種の全ての伝統工芸品が「彩る美」をキーワードに展示されている。

・「加賀友禅伝統産業会館」

(概要)石川県伝統産業振興協議会副会長・小川甚次郎氏から、加賀友禅の歴史と現状等について、また、加賀友禅伝統産業振興協会の藤井専務理事から、加賀友禅伝統産業会館の設立の経緯や概要について聴いた後、資料・工程の展示室等を視察した。

・「作田金銀製箔梶v

(概要)石川県伝統産業振興協議会会長・作田勝氏から金沢箔の歴史と製造工程の説明を聴いた後、製造工程を見学した。

<山中漆器、珠洲焼を視察する委員(石川県伝統産業工芸館)>  

 【9月11日・高岡】

<説明>

・「行政の支援体制」

高岡市デザイン工芸センター 所長 堀 峰一 氏

(概要)高岡市の伝統産業の現況と課題、市が実施しているデザイン開発強化事業等について説明を聴いた。

・「産地組合からのヒアリング」

伝統工芸高岡銅器振興協同組合 副理事長 織田 幸市 氏

伝統工芸高岡漆器協同組合 理事長 天野 隆久 氏

(概要)伝統工芸高岡銅器振興協同組合副理事長・織田幸市氏、伝統工芸高岡漆器協同組合理事長・天野隆久氏から、歴史、現在の状況、組合が抱える問題点等についてそれぞれ説明を聴いた。

<視察>

・「富山県総合デザインセンター」

(概要)富山県総合デザインセンター副所長・鈴木敬一氏からデザイン開発支援事業などの事業概要について、説明を聴きながら視察した。

・「高岡市デザイン工芸センター」

(概要)高岡市デザイン工芸センター主幹・蒲田政裕氏からデザイン力の向上を通じた新クラフトの開発などの概要について、説明を聴きながら視察した。

・「高岡クラフトコンペ入選作品」

(概要)高岡商工会議所参事・中村隆氏から、高岡クラフトコンペ実施の経緯と経過等について説明を聴いた後、今年度の入選作品を視察した。

<デジタル撮影室で試作品のネガを視察する委員(富山県総合デザインセンター)>

 

○伊万里・有田地域

 9月13日に伊万里、14日に有田を視察し、委員5名が参加した。視察内容は次のとおり。

 【9月13日・伊万里】

<説明>

・「伊万里市の窯業支援について」

伊万里市商工観光課商工振興係 松 尾 公 弘 氏

(概要)市では、伊万里焼の集積地である大川内山の窯元群と隣接する丘陵地に鍋島藩窯公園を設置し、歴史文化遺産を整備したほか、伊万里・有田焼伝統産業会館の建設など、産業観光の観点から支援している。

・「伊万里陶磁器工業協同組合の活動について」

伊万里陶磁器工業協同組合理事長  川 副 敏 郎 氏

            同     事務局長  本 山 邦 彦 氏

(概要)伊万里陶磁器工業協同組合は、34組合員からなる。従業員数、生産額は減少傾向である。伊万里焼は、主に家庭用食器を生産している。消費地では売上不振だが、生産地での観光客向け直販の落ち込みはそれほどではない。組合員のなかには比較的若い伝統工芸士もおり、後継者に関してはあまり心配はない。

・「伊万里鍋島焼協同組合の活動について」

伊万里鍋島焼協同組合代表理事 畑 石 真 嗣 氏

(概要)伊万里鍋島焼協同組合は、24組合員からなる。伊万里焼の集積地である大川内山は、旧鍋島藩の御用窯として発達した。現在は周辺環境も整備され、年間約50万人の観光客が訪れる。組合では、伊万里・有田焼伝統産業会館の運営や、伊万里焼の原料となる青磁原石の管理などを行っている。

<視察>

・「大川内山」

(概要)旧鍋島藩が1675年に御用窯として職人を集めた地である。30数件のレンガ造りの煙突を持つ窯元が立ち並ぶ。一帯は観光施設として整備されており、観光客が窯元めぐりを楽しむことができる。

・「渠ィ萬陶苑」

(概要)大川内山内にある窯元。作り手と使い手の交流をテーマにした工場づくり・売り場づくりをしている。また、クリーンで快適な作業場環境による技術・生産性向上を図っている。   

<伝統技術が引き継がれている
伊万里焼の絵付けの工程>

<観光施設としても整備されている
大川内山の窯元群>

 

【9月14日・有田】

<説明>

・「有田町の地場産業支援策について」

有田町商工観光課長 澤 山 敏 家 氏

(概要)町では、後継者育成や陶器市開催等に助成を行っている。また、「やきものを使った街づくり事業」として、有田焼を利用した道路誘導サイン・駐車場地図・文化財解説サイン整備や、国の重要伝統的建造物群保存地区の選定を受けた地区を中心に「裏通り整備事業」に取り組んでいる。

・「大有田焼振興協同組合の活動について」

大有田焼振興協同組合専務理事 筒 井 孝 司 氏

(概要)大有田焼振興協同組合は、窯元、陶土販売業者、絵付け業者、卸売業者など、有田焼に関係する全ての業種で構成している。組合員は445社。昨今の大きな問題は、他産地や中国をはじめとする外国製品との競合である。一方、ニューセラミックスの研究や環境・リサイクル問題への対応など、新たな取り組みも推進している。

<視察>

・「深川製磁梶v

深川製磁滑ヌ理本部財務部長 佐々木 勝 彦 氏

(概要)深川製磁鰍ヘ、明治27年に有田町に工場を建設し、以来、有田焼の伝統を生かした製品を作りつづけている。有田では、製造と販売は分業されているのが一般的だが、同社は製造から販売まで一環した体制を持っている。

<トンバイ塀(解体した登り窯のレンガを利用して造られた塀)のある裏通り>


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