先行きについては、先行き見通しDIが▲31.4(今月比+0.5ポイント)と、ほぼ横ばいとなる見通し。今後、第三次補正予算の本格執行が見込まれるが、地域経済への波及効果がまだ弱く、大幅な業況改善にはつながらないとの声が多い。また、超円高や海外経済の動向、先行き不安に起因する消費マインドの冷え込みなど、懸念材料が多いことから、先行き見通しに対する慎重な見方が根強い。
【建設業】からは、「住宅エコポイント制度を利用したリフォーム工事の受注が増加」(一般工事業)、「復旧・復興工事の本格化に伴い、職人不足による人件費の上昇が顕著」(一般工事業)、「国および県で防災関連工事に多額の予算が計上されたため、公共工事の受注増加を期待」(一般工事業)などの声が寄せられている。
【製造業】からは、「円高の影響で、親企業の米国・欧州向け輸出が落ち込んでいるため、自社の受注も減少」(自動車部品製造業)、「超円高により、韓国・中国企業との価格競争が厳しく、受注獲得が困難」(船舶製造・修理業)、「円高により欧州からの輸入品が値下がりしており、価格面で対抗できない」(製材・木製品製造業)などの声が寄せられている。
【卸売業】からは、「復興需要の本格化に伴う木材、木製品の売上増加が見込まれる」(建築材料卸売業)、「地元企業が集まり中国に合弁会社を設立。その会社を拠点に積極的に販路を拡大していることから、業況が上向いている」(ネジ卸売業)、「国内の売上が落ち込んでいるため、イギリスをはじめ、欧州での販路開拓を進めている」(コーヒー豆卸売業)などの声が寄せられている。
【小売業】からは、「厳しい寒さが続き、コートやマフラー等の防寒衣料の売上が好調」(商店街)、「帰省客が例年より多く、食料品の売上が伸びた」(総合スーパー)、「欧州経済の動向や厳しい雇用情勢等、先行きの不安材料が多く、個人消費が冷え込んでいる。そのため、来客数・売上とも落ち込んでいる」(百貨店)などの声が寄せられている。
【サービス業】からは、「円高の影響を受けている主要取引先が、経費節減のため、設備投資を抑制。その影響で、自社の受注が落ち込んでいる」(ソフトウェア業)、「円高の影響で貨物取扱量が減少。加えて、軽油価格が高止まりする中、イラン情勢の緊迫化により、今後さらなる価格上昇が懸念される」(運送業)、「復旧・復興関連の仕事で来訪するビジネス客の宿泊が好調」(旅館)などの声が寄せられている。
売上面では、全産業合計の売上DIは▲26.0(前月比▲1.2ポイント)と、マイナス幅は2カ月ぶりに拡大。産業別にみると、建設業は、住宅エコポイント制度の再開に伴い、民間からの受注が増えている企業は売上が伸びているが、それ以外ではほぼ横ばいにとどまっている。一方、製造業は、超円高や海外経済の減速により、多くの輸出関連企業に悪影響が及んでいることから、マイナス幅が大幅に拡大した。
採算面では、全産業合計の採算DIは▲29.3(前月比+2.1ポイント)と、前月からマイナス幅が縮小。産業別にみると、超円高により、輸出が落ち込んでいる製造業はマイナス幅が拡大。ただし、昨年秋口における国際商品相場の低下が、原材料価格に反映されつつあることや、部材の海外調達拡大により、経費抑制に努めていることから、売上の減少に比べ、採算の悪化は小幅に止まっている。一方、建設業は、住宅エコポイント制度の再開に伴い、民間需要が上向きつつあること、卸売業は、復興需要を見据え、建築資材の取引が活発なことから、採算が改善。
資金繰り面では、全産業合計の資金繰りDIは▲20.4と、前月からほぼ横ばいで推移。産業別にみると、超円高に伴う生産・輸出減少の影響が及んでいる製造業はマイナス幅が拡大した。一方、建設業は、住宅エコポイント制度の再開に伴い、民間工事が若干増えていること、卸売業は、復興需要関連の仕事が増加していることから、マイナス幅が縮小した。
仕入価格面では、全産業合計の仕入単価DIは▲25.6と、多くの品目で原材料価格が高止まりしており、低水準で推移。産業別にみると、卸売業は、復興需要を見越して、建築資材の取引価格が上昇していること、小売業、サービス業は、ガソリン価格の高止まりに加え、厳しい寒さにより、野菜の生育が振わず需給が逼迫していることから、マイナス幅が拡大した。
従業員面では、全産業合計の従業員DIは▲2.2と、前月からマイナス幅が縮小。産業別にみると、サービス業は、2008年4月以来のDI値プラスとなった。被災地や都市部で、サービス業を中心とする出店の動きに伴い、人手不足感が強まっている。建設業、製造業、卸売業もDIが改善傾向。