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【最新海外事情レポート】 各種統計指標からみるベトナム観光事情(ベトナム)

  ベトナムは高い経済成長率を背景に、個人所得が伸び消費活動も非常に旺盛である。かつて海外への渡航は富裕者等の一部に限られていたが、昨今は都市部に住む中間所得層を中心に海外旅行は身近なものになってきた。

 

 公式な統計ではないが、ベトナム観光協会のまとめによると、2016年に海外旅行に出かけたベトナム人は650万人(対前年比で15%増加)に上るとのことであり、主な渡航先は、近隣のタイやシンガポール、中国、韓国、日本が人気だという。

 

 中でも、日本へ出かけるベトナム人は年々増加傾向にあり、日本政府観光局の統計によると、10年前と比較するとほぼ10倍、2016年に初めて20万人の大台を突破した。2017年は11月末時点で既に前年実績を上回る約29万人が来日している(ただし、観光以外にも商用や留学を目的に来日するケースに加え、外国人研修制度を活用しての入国者も含んだ総数である)。

 

 うち旅行を目的とした訪日客は、2006年には5,000人に満たなかったが、2016年には77,000人以上となり、その数は15倍以上にも及ぶ(図1参照)。

 

 特筆すべきは、訪日外国人1人当たり旅行支出 に関し「爆買い」の中国を超え、ベトナムが首位に躍り出たと観光庁の統計で報じられた(ただし、図2のように滞在日数等を加味すると単純な比較はできない)。

 

 翻って、ベトナムを訪れる外国人訪問客の状況について紹介しよう。

 

 ベトナムは観光産業の育成・振興に注力しており、国内主要空港等のインフラ整備の充実に努めているほか、外国人を受け入れるための人材教育にも重点をおいている。その結果、ベトナムを訪れる外国人訪問客数は増加傾向にあり、20171月~11月まで延べ1,164万人(対前年同期比28%増加)に上った。統計上、渡航目的の内容に関する情報は公開されていないため、観光目的の入国者の実数は把握できないが、ハノイやホーチミン等の都市部はもちろん、国内の主要観光スポットには海外からのツーリストを目にする機会は多い。

 

 ちなみに国別では、中国からが約360万人、韓国が約216万人、日本が約73万人の順番である。また歴史的な繋がりが深いロシアからは約52万人、フランスから約24万人が訪れるなど、世界各地域から多くの訪問客を集めている。今後は、ビザ発給の緩和や、リゾート開発による宿泊施設の拡充等により更なる増大が見込まれる。

 

 ベトナムの魅力は、①8つの世界文化・自然遺産に代表される風光明媚な自然や伝統文化が数多く残っていること、②世界的に美食で知られるとおり農産物が豊富であること(コメの輸出は世界2位、胡椒の生産は世界1位、コーヒー豆の生産は世界2位である)、③東南アジア特有の活気を持ちつつ安定した治安を維持していることがあげられる。

 

 現在は、日本各地からベトナムへ飛ぶ航路も充実しており、今後のビジネスシーズを見つけるため、またレジャーを楽しむため、一度ベトナムへ足を伸ばしてみてはいかがだろうか。

 

図1:ベトナムにおける実質GDP成長率と一人当たりGDP、訪日ベトナム人数等


          出所:実質GDP成長率、一人当たりGDPはベトナム統計総局およびIMF

              訪日ベトナム人数は日本政府観光局

 

          図2: 訪日ベトナム人・中国人との1人当たり費目別旅行支出比較 

                     出所:観光庁【訪日外国人消費動向調査】平成297-9月期の調査結果(速報)

 

(ベトナム日本商工会 事務局長 木村 篤人)