トップページ > 国際関連情報(中小企業国際化支援ナビゲーター) > 海外情報レポート > 【最新海外事情レポート】 在マレーシア日系企業が感じる景況について(マレーシア)

海外情報レポート

【最新海外事情レポート】 在マレーシア日系企業が感じる景況について(マレーシア)

 マレーシアがマラヤ連邦としてイギリスから独立してから、本年831日で60周年を迎え、独立後すぐに国交を結んだ日本においても、本年は記念すべき日馬外交関係樹立60周年の年となった。

 これまでも60周年を記念するイベントがここマレーシアで多数実施されてきており、この地に居ながらも日本の文化や伝統を目にする機会が多い年となった。

 そのような中、マレーシアの景気を在馬日系企業がどのように感じているのかを紹介したい。

 

 原油価格の下落や通貨であるリンギット安などの影響により停滞傾向であった昨年に対し、本年のマレーシアにおける実質GDP成長率を見ると、第一四半期は前年同期比で5.6%増、第二四半期は5.8%増、そして第三四半期はさらに上がって6.2%増とかなり良い数字を記録している。

 この好景気は日系企業も肌で感じ取っており、それは、マレーシア日本人商工会議所(JACTIM)で実施した直近の『景気動向』に関する調査(年に2回実施)の結果にも表れている。

 JACTIMでは会員企業546社(個人会員、在外会員を除く)を対象に、201782日から922日にかけて2017年下半期の景気動向調査を行い、192社から回答を得た。

 

 この調査の中では、前期に対しての景況感を「良い」と評価した企業数から「悪い」と評価した企業数を全回答企業数にて割った数値「「業況判断DI」を割り出し、在馬日系企業がマレーシアの景気をどのように感じているかを測る指標としている。

 

 下図に示した通り、2017年下期の業況判断DIは前期の-8.8ポイントから、前回予測値を上回る大幅な上昇により、2014年下期以来3年ぶりのプラス圏となる2.1ポイントへと転じた。

 


 

  さらに、先行きを予測した数値は5.3ポイントと、今後、景気回復スピード自体は緩やかになるものの、引き続き回復傾向となることが予測される結果となった。

 

 しかし、同調査の他の結果からは、従業員数が引続き不足している状況も見て取れた。

 

 マレーシアは日本の約9割の国土を持ちながら、人口は4分の13,000万人を少し上回る程度であり、就業人口は約1,400万人程度である(下図参照)。

 

 

 

  そのような中、その就業人口の一部を近隣諸国から出稼ぎに来る外国人労働者に多く依存している点がこの国の持つ特徴の一つである。

 就労ビザを持つ正規の外国人労働者約200万人に対し、違法外国人労働者の数は推定で同数以上いるとも言われる状態が続いていたが、違法外国人労働者による治安悪化の防止や、国民の雇用を守ることなどを理由に、マレーシア政府としては外国人労働者自体を規制する政策をとっている。

 マレーシアはE&E産業を中心に製造業が盛んであり、JACTIM会員企業も半数以上は製造業であるが、『労働者不足』は、会員企業の多くが課題としてあげる内容のうちの一つである。

 せっかくの好景気の波に乗るためにも、労働力不足をはじめとした在馬日系企業が抱える各種課題を一つでも多く解決し、事業環境を改善すべく、JACTIMとしてマレーシア政府との協議を継続していきたい。

 

                        (マレーシア日本人商工会議所 事務局長 木本 和紀)