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【最新海外事情レポート】  外国商工会議所連合の取り組み(フィリピン)

【外国商工会議所連合の活動】

 

 フィリピンには、日本、アメリカ、カナダ、ヨーロッパ、オーストリア・ニュージーランド、韓国、多国籍企業連合、の外国商工会議所7団体で構成される外国商工会議所連合(JFC - Joint Foreign Chambers of Philippines)がある。フィリピン政府に対し、毎年2030本の意見要望書を提出しているほか、大統領や閣僚をはじめ、国会議員や政府関係機関との懇談などを適宜行い、フィリピンにおける投資環境の改善を訴えている。各国商工会議所が個別に意見具申・交渉するよりも、外国企業連合というまとまった形でフィリピン政府に訴えかける方がより大きな力で説得力のある交渉ができることが多い。

 

 この大きな説得力を活かして始まったのが、「アランカダ・フォーラム」である。「アランカダ」とは、フィリピノ語で「もっと早く!」「ジャンプ・スタート」という意味で、JFC201012月に「明るい未来を創造するには、何が必要か」という観点で展望・提言書をとりまとめ、フィリピン政府に提出した。その後、毎年政策の進捗状況のチェックを続け、最初の提言から5年が経過した2016年には政権交代の節目の年ということもあり、新たに"A Bolder and More Inclusive Decade."(大胆でさらに包括的な成長の10年へ)というテーマを設定して、各分野(アグリビジネス、BPO、クリエイティブ・インダストリー、インフラ、製造、物流、鉱山、観光、メディカル・トラベル、退職産業)における広範な展望・提言をとりまとめた。

 

 フィリピン日本人商工会議所は、この中で「製造・物流」を担当し、インフラ等社会基盤整備による産業育成への注力や、各種許認可プロセスの簡素化、中小企業の育成強化、国内市場向けの経済特区の整備等について提言をまとめた。

 

【政策への反映】


 こうしたJFCの取り組みもあり、新たに誕生したドゥテルテ政権では、20166月に「10-Point Socioeconomic Agenda」(10項目の社会経済政策)を掲げたが、その内容のほとんどがJFCがこれまでに訴えてきた事項と重なるものとなっている。その後、フィリピン政府は、次のとおりフィリピンの成長と底上げを図るための様々な政策・計画を相次いで打ち上げた。

 

 

-最近のフィリピンの大きな政策・計画-

 

20166月>

・「10-Point Socioeconomic Agenda10項目の社会経済政策)

 

201610月>

・「AmBisyonNatin 2040(我々の大志2040・・・2040年において目指すべき姿を定めた長期的ビジョン)

 

20172月>

・「Philippine Development Plan 2017-2022(フィリピン中期開発計画2017-2022:次ページの表参照)

・「Investment Priorities Plan」(投資優先計画)

 

20174月>

・「ドゥテルテノミクス”Build! Build! Build!”

 

 

【新政策・計画を受けての外国商工会議所の取り組み】

 

 この流れを経て、今年914日に開催した6回目のアランカダ・フォーラムでは、"Implementing 10 POINT Agenda."10項目の実行)というテーマを掲げ、各項目ごとに合計約520にも上る提言を行い、ドゥテルテ政権に対し、自らが掲げた社会経済政策の着実な実行を訴えた。フォーラムでは「経済力の強化(インフラ整備)」、「産業改革(製造、物流、鉱業)」、「変革(農業、創造的産業、観光)」「破壊的な技術(AI、ビッグデータ、ドローン、ロボット)」、「労働資本(人的資源の挑戦)」というテーマでパネルディスカッションが行われ、ドゥテルテ政権が推し進める各種政策の実現への足がかりとするものとなった。今後も毎年進捗状況を確認し、フィリピン社会経済の着実な発展と投資環境の改善を外国企業の立場から側面支援していくこととなる。

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

アランカダ・フォーラム2017パネルディスカッションの様子

 

アランカダ・フォーラム2017特設サイト】

http://www.investphilippines.info/forum2017/

(フィリピン日本人商工会議所 事務局長 羽生 明央)

 

<フィリピン中期開発計画(PDP2017-2022の全体像>