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【最新海外事情レポート】 キャリー・ラム新行政長官誕生(香港)

 さる326日、1,194人の選挙人により行政長官選挙が行われました。

 

1.投票結果:有効投票1,163票の間接選挙です。

キャリー・ラム(Ms. Carrie Lam、前政務官、香港政府No.2)氏        777

ジョン・ツアン(前財務官、香港政府No.3)氏                                      365

K.H. ウー(元裁判官)氏                                                                         21

 

 中国への返還20年を迎える 71日に4代目で初の女性行政長官が誕生します。5年前の当選票数は、689でした。

 

2.選挙制度:

 立法議会議員は、香港の地域を分けて18歳以上で国籍と関係なく香港の永住権保有者が35名を選びます。残り35名は、職業別の団体から選出されます。当所は香港総商会の会員であるため、同商会の議員枠1名を選ぶ1票を有しています。

 一方、行政長官の選挙人は、上述の立法議員や職業別団体に属する選挙人が選びます。たとえば、香港総商会では、この選挙人への立候補者数が定数を超えたため、今年に入り選挙が実施されました。

 なお、行政長官が選挙で選ばれても、香港の基本法によると中国の中央政府は信任を拒否することができます。

 

3.新行政長官について:

 当所は、香港政府の政務官が主催するIBC (International Business Committee)に他外国商会とともに年3回程度出席しています。外国企業が遭遇する諸問題について各国共同で陳情したり、香港政府からいただく情報を共有したりする場所がIBCです。キャリー・ラム前政務官時代を振り返ると、5年前は欧米各国からインターナショナル・スクールの収容人数不足が指摘されていました。同政務官は、真摯に受け止め関係部署を動かされました。結果、新たなインターナショナル・スクールも進出し、収容人数不足はいまでは解決されています。

 

 同前政務官が各国商会代表を前に言われた言葉を思い出します。「香港は、国際ビジネス・ハブとしての発展が不可欠です。業界の問題のみならず個々の問題も相談してください。」IBCでキャリー・ラム政務官が発言される際は、各国代表の名前を呼ばれていました。

 

 年に一度の昼食会で将来について聞いたことがあります。仕事でロンドンに駐在された経験もあるためか、「退職したら、英国のケンブリッジに住みたい。」とラム氏は言われていました。そのような庶民出のラム氏でしたが、現C.Y.リョン行政長官の不出馬を受けての登場でした。

 

 330日にラム氏は、中高校時代を過ごしたカソリックの母校を訪れてお世話になったシスターや現在の生徒達に語られた言葉が印象的です。すなわち「合理的な分析をすると、自身は行政長官の仕事を望まなった。なぜなら、仕事は困難で何がしかの自己犠牲を強いられるからです。しかし、神が私を呼ばれましたので、決断しました。」

 


 

 

 

 

 

  IBC昼食会で挨拶する政務官時代のキャリー・ラム氏

 

 

 

 選挙権を持たない当所にも、ラム氏の選挙事務所から48ページのマニュフェスト「同行 We CONNECT」が届きました。法の支配、自由、香港独自の制度、優秀な人材や「一国二制度」の強みを生かし、失われた基盤を取り戻そうと記載されています。競争力を高めようとの意味だと理解しています。優先事項である社会を団結させることにも腐心されています。

 

 香港の経済と人々を知り尽くされた新行政長官に、中国中央政府と上手く連携し、シャープな頭脳と熱い心で香港の発展を導くことが期待されています。

 


 

 

 

 

 

選挙翌日の327日付英字新聞とマニュフェスト

 

 

 

香港日本人商工会議所 事務局長 柳生 政一)