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【海外情報レポート】悪化した日中関係の回復に尽力を(北京)

▼若者の交流の継続に尽力

  日本政府が尖閣諸島の3島の取得・所有を閣議決定した昨年9月11日以降、中国国内で反日の機運が高まり、各地で大規模な反日デモが繰り返された。

  首都・北京においては、9月18日までの数日間、大規模な反日デモ・抗議活動が行われたが、場所は日本大使館前に限定されており、日本企業や日本人に対する破壊活動や暴行等が行われたという情報はない。他方、一部の地方都市では、破壊活動等の過激な犯罪行為に至ったケースも少なくない。

  その結果、日中国交正常化40周年記念レセプションをはじめ、各レベルでの記念行事が相次いでキャンセルされ、経済はもとより、文化・芸術、スポーツに至る各分野での交流が軒並みストップした。

 

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 未来の乗り物に試乗する中国大学生

 

  当会では、中日友好協会とともに、北京大学等に通う中国人大学生35名を11月下旬から12日間、日本に派遣する事業を、このような時期だからこそ若者の交流は継続すべきという方針により予定どおり実施した。なお、当会では、2007年から中国人大学生の日本派遣事業を実施しており、今回の訪問団は、新たに会員から募った寄付金1億5千万円を原資に、今後3年間で計6回の派遣を予定している第2弾の最初の訪日団である。

 

▼回復の兆しみせる中国事業

 11月の訪日中国人が前年同月比44%減となるなど、旅行業等では、反日デモの影響が依然として続いているが、一方で、甚大な被害を受けた工場や小売店舗の営業再開、日系電機メーカー製品に対する環境保護認証の認定等、日系企業の動向に前向きな動きがみられるようになった。

 また、中国で自動車を生産している日系自動車会社(6社)の11月の中国での生産台数は合計17万7684台、前年同月比43.5%減と依然として大変厳しい状況にあるが、前月(48.9%減)に比べ下落幅が若干縮小した。一方、販売台数も、前月の下落幅(42%減)から、11月は27%減に縮小しており、日中関係悪化で落ち込んだ中国事業に改善の兆しが出てきた。

 

▼新政権への期待

 昨年11月15日に共産党総書記に就任した習近平氏が、12月7日から、広東省の深圳、珠海、仏山、広州を訪問した。最高指導者に就任後、初の地方視察先に改革・開放の最前線を選び、「改革・開放の行き止まりは永遠になく、停滞・後退すれば出口がなくなる」と訴えたが、残念ながら、このメッセージは、特に日本を意識したものではないと思われる。

 日本では、このたび安倍政権が誕生したが、中国側は、警戒と期待の両面から慎重に新政権の行方を見守っているようである。日本の新政権におかれては、悪化した日中関係の回復に、従来にもましてご尽力いただきたいと、衷心から願う次第である。

 

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中国の大学生も日本のアニメが大好き(ジブリ美術館にて)

 

 

(中国日本商会 事務局長 山田 光良)