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【最新海外事情レポート】日本と異なるオーストラリアの教育システム(シドニー)

 オーストラリアの義務教育は6~15歳(一部の州は16歳)、公立学校の初等・中等教育および高等教育の学費は無料となっている。初等教育はYear 1からYear 6までの、日本の小学校と同じ6年間のシステム。基本的には日本の小学校と大差なく、国語(英語)、算数、理科、社会、体育、音楽、図工などの授業で構成されているが、教科書は決められたものを個人が持つことはなく、ノートだけ支給される。例えば「テレビのコマーシャルを見てきなさい」という課題が出されたとすると、次の日の授業では、何のためにコマーシャルがあって、どうやって作られ、何人の人が関わって予算はいくらで、利益は、一人の収入はいくら・・・・・・という計算もする。一つの授業の中に社会や算数が混ざっているのだ。

 

また、「海の生物」というテーマだと、まず実際に海に出かけ、貝殻を拾ったり海藻を採ったりして学校に戻る。次に、海の絵や魚の絵を描き、ストーリーや詩を作る。そして生態の勉強をした後、海の汚染、さらにはゴミ処理問題にまで発展させていく。理科と図工、国語と社会が一緒になった授業というわけだ。これは教育に対する考え方が日本とは違い、社会に役立つ実践的なことを考えることに重点を置いていると言える。社会はさまざまなことが繋がっていて、いま学んでいることは区切って成り立たないという考え方が徹底している。

 

               <学校・生徒・教師数(初等・中等教育機関)>

 

 

 

 

 

 


一方、高等教育機関は以下の3つに大別される。

    ・総合大学(大学院)

    ・TAFETechnical And Further Education

    ・専門学校、ビジネスカレッジ

 

  日本は学歴社会と言われるが、オーストラリアは資格社会である。職業に就く際は、特に一般企業の場合、高等教育機関で取得した学位・資格がものを言い、待遇・昇進の交渉や転職する際に、実際の能力が伴わなくても効力を発揮してしまうことが多々ある。大学の名前以上に、どの分野でどの程度の学位・資格を取得したかが重視されるのである。

  近年、日本でも徐々に広がり始めた社会人向け大学(院)だが、オーストラリアでは大学院での勉強は重要な位置づけとなっている。求人情報でも、そのポジションが高くなれば、それに従い要求される学位・資格も高く、具体的なコース修了を要求されることも多い。これは、一般社会と高等教育機関との距離が日本と比べ近いことや、(最近は日本も変わってきていると言われるが)オーストラリア人は日本人と違い一生同じ会社で働き続けるのではなく、転職しながらキャリアアップを図っていくという雇用習慣の違いによるものと考えられる。そのため、大学院の授業は夕方から始まるものも多く、学位・資格を取得しキャリアアップを目指す現役のサラリーマンが会社帰りに授業に出席することも一般的である。

 

シドニー日本商工会議所 事務局長 杉 健太郎)