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【海外情報レポート】親日国インドネシア-交流を通じた信頼の積み上げ(ジャカルタ)

 ▼新パブリック・ディプロマシーとは

   昨年10月、ジャカルタ ジャパン クラブ(JJC)の会合で、国際交流基金の小川所長から「日本のパブリック・ディプロマシー」と題して講演をいただいた。通常の外交がA国政府とB国政府との関係であるのに対して、パブリック・ディプロマシーは、A国政府が(B国政府を越えて)B国市民に直接働きかける。さらに、「新パブリック・ディプロマシー」と言われるが、政府以外の主体(NGO、大学、市民サークル等)が同じく政府以外のアクターに働きかける、つまり、A国市民とB国市民による市民交流が、結果として国家間関係の安定につながっていることを説明された。近年、武力や経済力といったハードパワーだけでは解決できない問題が出ていることに加えて、冷戦終結後、インドネシアなど東南アジアや中東で民主化が進んでいる。民主化の進展により、その民意、世論が各国の政治、外交も含めて、政府の決定に大きな影響力を持つようになっている。

 

 

 ▼JJCを取り巻く日イ交流

    このような時代背景にあって、ジャカルタでも、日イの市民・文化交流が活発に展開されている。昨年9月、「深まる絆、広がる交流、インドネシア・日本」をテーマに、第4回ジャカルタ日本祭り(JJM)が開催された。JJM実行委員会を中心に、在イ日本国大使館は共催、JJCは後援団体として協力しているが、例えば、ソフトボール部、サッカー部など、JJCの各クラブが中心になって「日イ友好親善スポーツ大会」が実施された。また、独立記念塔(モナス)の広場で開催されたクロージング・セレモニーには約3万人が集まり、両国友好の象徴的なイベントに成長している。

    一方、企業のCSR活動等を通じた各種交流も盛んである。昨年8月、JJCが行った「日系企業による地域社会等への貢献活動に関するアンケート」(当時の487会員中、106会員が回答)では、回答した会員の80%が貢献活動を「行っている」、5%が「行う計画がある」という結果であった。「活動分野」については「モノの提供」が最も多く、「インターンシップ(企業への学生受け入れ)」、「環境保護・清掃活動」と続いた。また、「地域貢献活動を実施する上での課題」は、「資金」が最も多く、「情報」、「人的ネットワーク」と続いた。ただし、貢献活動を「行っていない」と回答した企業だけを見ると、「資金」、「情報」の次に「人員・人材不足」が挙げられており、地域貢献には十分な人員・人材を確保することも重要であることが浮き彫りになった。

 

▼信頼の醸成、積み上げ

   有数の親日国と知られるインドネシアでも、過去に対日批判が噴出したことがある。「マラリ事件」と呼ばれるが、1974年1月、当時の田中総理がジャカルタを訪問された際に暴動が起こり、日本車に対する襲撃、日系企業の工場・宿舎や日本料理店なども被害を受けた。スハルト政権以降、顕著になった日系企業の急激な進出と市場支配、あるいは一部の在留邦人や日本人旅行客の軽率な言動等も対日不満の要因に挙げられた。この反省もあり、日系企業・在留邦人は当地において地域社会等への貢献活動にあらためて様々な形で取り組むようになった。現在も、これまでに培った信頼をさらに強固なものとする努力が続けられている。

 

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進出日系企業による植林活動

 

(ジャカルタ・ジャパン・クラブ 事務局長 清水 力)