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日系企業の進出が相次ぐ決め手とは(タイ)

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▼数の多さを実感する日系企業の進出

 バンコク日本人商工会議所(JCCB)に赴任して約1カ月半が経過した。来客が多いとは聞いていたが、特に日本からの企業来訪が多く、1日に4、5社と面談することもある。その内容のほとんどは、「タイへの新規進出について」である。

 2008年時点でのタイの日系企業数は約7,000社、そのうち実際に稼動している企業は約半数と言われていた。JCCBの会員数は今年5月末時点で1,334社。毎月4~5社の新規入会があり、過去最高を更新し続けている。JCCB会員の増加はタイへの日系企業の進出にほぼ連動しているため、現時点ではさらに多くの日系企業がタイに進出していると推察される。

タイ進出に際しては、税制面等での優遇措置が受けられるタイ投資委員会(BOI)の認可を受けての進出が多い。実際、2011年1-4月期の日本企業のタイBOIへの申請件数は172件(451億バーツ)と、前年同期の99件(256億バーツ)に比べ、件数、金額ともほぼ2倍である。

 

▼「製造ハブ」としての発展に期待

 日本企業が海外移転を検討する要因のひとつとして「安い人件費」が挙げられるだろう。確かにタイの人件費は日本の水準と比べると圧倒的に低いが、単に人件費のみの比較であれば、さらに低い水準の国もある。国際協力銀行(JBIC)の調査によると、他のASEAN地域と比べて多く寄せられたタイへの投資理由として、「第三国への輸出拠点」「インフラが整備されている」ということが挙げられている。

確かに、進出企業から電力不足や水不足等に関する苦情はない。物流についても、バンコク郊外に立地している工場集地と空港や港までは、渋滞で悪名が高い(?)バンコク市内を経由しないバイパスが完備されており、スムーズな物流を実現している。

 こういったインフラの整備に加え、人件費は割高なものの、比較的技術の高い労働力、裾野の広い下請け企業の集積といった、製造業にとって不可欠なポテンシャルをもつタイは、周辺地域に比べて安定した事業活動が見込めることから、今後は、世界的な「製造ハブ」としての発展も期待されている。実際、日系メーカーの中には、世界戦略の中で、タイの現地法人に、RD機能を移すことを検討している企業もある。

 

▼今年度から「新規進出支援」を開始(JCCB

 ASEANでは、2015年の共同体実現に向けて調整が行われている。まだまだ課題は多いものの、タイは引き続き日本企業のみならず、世界中の企業から注目を集め続けるだろう。JCCBも今年度より、日系企業のタイへの「新規進出支援」を専門に行う委員会組織を新設し、サポートを開始する。日系企業が海外進出を加速させ、ビジネスをグローバルに展開することで、その活力を取り戻し、さらに発展していくことを、積極的に支援していきたい。

 

 

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(バンコク日本人商工会議所 事務局長 石井 信行)