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廃棄製品の回収で事業者負担増の動き(ベトナム)

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▼東日本大震災でベトナムの親日度を体感

 3月11日の東日本大震災を受け、ベトナムは日本の支援を積極的に行っている。ハノイの日本大使館が実施した弔問記帳には、グエン・タン・ズン首相が初日の朝一番に訪れて黙祷し、「両国の友好関係に基づき、ベトナム国民は、日本政府と日本国民に対して、今回の災害について、心から哀悼の意を表したい」と述べた。

当会会員の日系企業だけでなく、ベトナムの現地企業からも多くの寄付があった。ベトナム人の平均年収は1,000米ドル程度と、生活に余裕がない人が多いにも関わらず、労働組合全員が給与天引きでの寄付を決めた企業もある。

 筆者はベトナム中部の都市・ダナンの空港で震災を知ったが、その時に見知らぬベトナム人の方々からお悔やみと励ましの言葉をかけられたのは、大変印象的であった。

 

▼震災による生産への影響

ベトナムに進出した日系製造業は、部品の仕入先として、または完成品の販売先として日本に依存している場合が多い。

発展途上国の生産拠点は一般的に在庫を多めに抱えているため、震災直後は大きな影響がなかったものの、4月下旬以降、トヨタモーター・ベトナム社が生産量を70%削減する等、各社に影響が出はじめている。

 

業者負担増す「廃棄製品の回収に関する規則(案)」

 ベトナム天然資源環境省は現在、二輪車、四輪車、

テレビ、冷蔵庫、デジタルカメラ等の製品を対象とした「廃棄製品の一部回収・処理に関する規則」の導入を目指している。2010年7月の規則案では、「廃棄製品の製造・輸入企業は、自社の廃棄製品を回収・処理するための施設を設置し、回収する義務を負う」、「企業は、前年製品販売重量の最大75%を回収する義務を負う」、「企業は、廃棄製品を企業に持ち込んだ消費者に対し謝礼を支払わなければならない」、「回収実績が義務量を下回った場合、義務量まで回収した場合に発生するコスト分を負担金として政府の基金に支払わねばならない」といった内容であった。

これに対し、当会は「廃棄製品回収の必要性については認識しているものの、本来、廃棄製品回収には、消費者、行政にも応分の責任がある」という趣旨の意見書を同省に提出した。「政府が主導的な立場を取り、一貫したスキームにより、回収のシステムを個別企業に構築させるべき」、「廃棄製品回収の成否は、環境や回収に関しての最終消費者の意識に左右され、企業が制御できる問題ではないにも関わらず、回収ノルマを課し、負担金を求めること自体に無理がある」と主張した。

その後、当会幹部と天然資源環境省副大臣との意見交換等を経て、廃棄製品を持ち込んだ消費者への謝礼は撤廃、回収目標の計算の基礎を「前年販売重量」から「当該製品の数量」とするよう改められる等、一定の成果を得たが、規則の導入自体は検討が進められている。5月20日現在、WTO加盟各国からのコメントを受け付けている。

当会では、今後も本規則の動向を注視し、日本語での情報提供を続けていく予定。ベトナムで対象製品を製造・輸入される企業におかれては、十分にご留意いただきたい。

 

 

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(ベトナム日本商工会 事務局長 小倉 政則)