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国際関連情報(中小企業国際化支援ナビゲーター)

外国商工会議所が連携し提言書を発行(フィリピン)

フィリピン日本人商工会議所をはじめ、7つの外国商工会議所で構成するJFCJoint Foreign Chambers)は、「フィリピンが明るい未来を創造するには何が必要か」という観点で取りまとめた提言書、「アランカダ・フィリピン2010」を昨年12月に発行した(写真右上)。

本書は、フィリピンの歴史的背景、政策の変遷、ビジネスの経験をベースに1年以上にわたる官民での話し合いの成果をまとめたものである。

表題の「アランカダ」とは、フィリピノ語で「もっと速く」という意味で、アキノ新政権に対して、「スピーディーな政策実行が最も重要である」という経済界の意志を示すために命名したものである。

発行時には、貿易産業省、投資委員会で記者発表を行うとともに、アキノ大統領をはじめ閣僚メンバー、各省庁・政府関係機関、各国公館に配布した。また、主要な閣僚・政府機関長とはJFC代表グループが直接対談し、提言内容を説明するとともに、新政権における各分野の方針・政策内容について聴取した。

本提言は、①遅すぎる成長の実態と改革すべきポイント、②国際競争力の実情と目指す方向、③成長のキーとなる7分野における方策、④その他ビジネス環境改善のための重要なポイントの四部構成でまとめられている。データや図表も豊富に掲載されており、フィリピンの一般概況に加え、ビジネス実務に関する情報がわかりやすくまとめられている。本内容はインターネットに掲載されており、逐次アップデートされる予定。

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<提言書「アランカダ・フィリピン2010」の概要>

 

①遅すぎる成長の実態と、改革すべきポイント

最大の努力を傾注すべき事項は、経済成長をより高いレベルに引き上げ、雇用の増大を図ることにあると指摘。「3年間でGDP成長率を倍増させ、75億ドルの外国直接投資(FDI)を実現し、1,000億ドルの輸出を達成する基本計画の策定」「フィリピンブランドの向上」「マーケティングの基金設立」等を提言。

 

②国際競争力の実情と目指す方向

フィリピン人労働者が国際労働市場で競争力がある一方、国全体の国際競争力は低下し、多くの指標において近隣諸国に遅れを取っており、近年ではインドネシアやベトナムにも抜かれている。最近10年間のトレンドでは、特に汚職・ガバナンスやインフラの点で低落傾向にあり、状況の改善には数年間はかかると想定されている。本書では、「継続的・集中的な努力することで、よりポジティブな結果をより早く実現することができる」と指摘しており、「比較的中・低位にランキングされている事項の改善」「改善の手法にあたっての官民協力」等を提言。

 

③成長のキーとなる7分野における方策

フィリピンで、競争力で優位にあり、高い成長と雇用の増大が期待できる分野として、(1)アグリビジネス、(2)IT-BPO(3)クリエイティブ産業、(4)インフラ産業、(5)製造業・物流業、(6)鉱山業、(7)観光・メディカルツアー・退職者産業の7分野を提言。

 

その他ビジネス環境改善のための重要なポイント

包括的な事項についての提言で、ここ数年間でJFCが取り上げてきた事項等を掲載。

 

 

(フィリピン日本人商工会議所 前事務局長 林 大吾)