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国際関連情報(中小企業国際化支援ナビゲーター)

日系企業のビジネス環境改善に貢献(海外レポート・ハノイ)

建国の父 ホーチミン廟.JPG人口8,500万人、平均年齢27歳のベトナムは、テレビ・洗濯機・冷蔵庫のいわゆる「三種の神器」と携帯電話やインターネットが同時進行で普及している。いわゆるリーマンショックに端を発する世界同時不況も、ベトナム国内市場への影響はほとんど見られず、今後も経済成長が続くものと思われる。この成長をいかに自らの成長に取り込めるのかが、日本の成長戦略として重要になっている。

 

Ú  日越の良好な発展に向けて活動

 今回は初回であるため、まずはベトナム日本商工会(略称:JBAV、会長=阿部信弥、パナソニックベトナム社長)の概要についてご説明申し上げたい。

 当会はベトナム北部に進出した日系企業により組織され、ベトナム政府との対話によるビジネス環境の整備や、会員交流・ビジネス交流の拡大、日越関係の良好な発展に向け活動を行っている。1992年の設立時は26社だった会員数も、会員数は年々増加基調が続き2010年4月1日現在は377社となっている。

 

Ú  労働改正法に積極対応

2009年度の後半からベトナム労働法と労働組合法の改正に向けた作業が始まった。今回は1994年に制定された労働法の全体に亘る大きな変更となる。労働法はベトナムで人を雇用すれば必ず関係する法律であることから、現地日系企業にとって極めて影響の大きい法律である

労働法を所管する労働省(労働・傷痍軍人・社会問題省。MOLISA)は、基本的には労働者側に立つ上に、ベトナムは社会主義国であるためか、入手した改正案は企業側の意向とはかなり違和感のあるものだった。

改正内容に含まれた例として、国の一機関であり、各労働組合の上級組織に当たる「ベトナム労働総同盟」が、企業内労働組合の設立を指導したり、企業と労働者との団体交渉に入ってきたりするほか、産業単位での労働協約の規定もあった。企業側からは、実態を知らない団体が交渉に入ることへの反発や、過度に労働者を保護し、企業経営の自主性を規制する法律への懸念の声が上がった。

当会としては、いち早く労働法の改正案を入手し、国際協力機構(JICA)、ホーチミン・ダナンの各日本商工会と協力して改正案を翻訳し、会員からの意見照会を行った。そして、当会の事業環境委員会と、投資環境整備のための「日越共同イニシアティブ」ワーキングチームが中心となり、労働省側とミーティングを重ねた結果、外国企業団体としては唯一とされる「労働法改正意見公聴会」が3月24日に開催された。

公聴会では労働省法制局、賃金局の実務上のトップ2人が参加し、改正趣旨を説明、ベトナム日本商工会・ホーチミン日本商工会側からも代表者から質問や意見を述べた。これに対し労働省側は誠意ある対応を見せ、行政機関による干渉をできるだけ少なくして、企業の自主管理を促して行く基本方針や、日本型協調的労使関係の構築の模索、産業別労働協約制度の導入見送り方針などが言及された。

ベトナムでは今回ご紹介した労働法に限らず、毎年多くの法令が改正されており、今後ベトナムに進出する場合は、専門家や商工会等から情報を収集し、これに対処されることをお薦めする。

 

(ベトナム日本商工会 事務局長 小倉 政則)

 

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