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意見書「観光立国実現に向けた隘路打開への取り組みについて」を提出

 日本商工会議所は意見書「観光立国実現に向けた隘路打開への取り組みについて」を取りまとめ、4月26日、須田寬観光委員会共同委員長が早川観光専門委員会共同委員長(足利商工会議所会頭)、佐々木隆・東京商工会議所観光委員会委員長(東商副会頭)とともに、石井啓一・国土交通大臣、観光庁を訪問し、陳情を行った。

 本意見書は、政府が本年5月に策定を予定している「観光ビジョン実現プログラム2017」に対し、観光立国の実現のための隘路の打開に向けて、早急に取り組むべき事項などを取りまとめたもの。

 石井国土交通大臣からは、「意見書の内容を参考にして観光ビジョン実現プログラムに入れさせていただきたい」との発言があった。

 

石井国土交通大臣(左)に意見書を手渡す須田共同委員長(中央)、佐々木東商副会頭・観光委員会委員長(右)

 

意見書の全文は、以下のとおり。

 観光立国実現に向けた隘路打開への取り組みについて(概要)【PDF

 ○ 観光立国実現に向けた隘路打開への取り組みについて(本文)【PDF

 

<主な内容>

基本的な考え方

 国における2020年の訪日外国人旅行者数4,000万人の目標は、そのうち2,400万人(6割)をリピーターとしている。また、日本人の多くは既存の観光資源を訪れており、新たな観光客誘致と同時にリピーターの獲得なくして、日本の観光を伸ばすことは困難と考えられ、その課題克服のためには3つの観光の隘路打開が必要である。

 

具体的要望事項

Ⅰ.観光資源・環境の充実策 

 1.歴史・文化・芸術資産等の観光への利活用促進

   地域における文化財等への視点の転換による利活用の促進

 2.地域の観光の魅力再発見と発信

   スポーツツーリズム等のニューツーリズムの展開、各地食文化の観光資源としての活用 など

 3.ユニバーサルツーリズムの推進

   年齢・身体・言語の制約を軽減し、誰もが安心して旅行を楽しめる観光の整備 など

 4.広域連携観光の推進

   広域・遠隔地間の連携への支援、「広域観光周遊ルート」における具体的プロジェクトの推進 など

 

Ⅱ.観光産業の近代化・効率化の促進策 

 1.観光産業の生産性向上

   ICT等を活用した経営手法の導入や業務の共同化による経営改革の推進 など

 2.宿泊施設の充実と多様化への対応

   旅館の設備改善、泊食分離等の従来型商慣習の見直し、各地の実情に沿った民泊の制度設計 など

 3.体験型観光の促進に向けた取組加速と体制整備

   「モノ消費」から「コト消費」へのシフトに対応した体験型観光プログラムの普及・促進 など

 4.観光を支える人材の育成・確保

   観光地経営を担うDMOの中核を担う人材の育成・確保への支援 など


Ⅲ.安全な観光の実現と観光基盤整備の推進策 

 1.観光に関わる総合的な安全対策の確立

   旅行者の交通、宿泊、食の確保等をはじめとする危機管理体制の確立 など

 2.旅行需要の拡大に資する交通体系の整備

   地方空港の活用や二次交通の整備、観光地における渋滞・混雑対策やクルーズ船受入拡大に向けた港湾整備の推進 など

 3.国際的イベントを契機とした受入態勢の整備やプロモーションの展開

   戦略的な訪日観光プロモーションの推進と海外へのコンテンツの供給強化、全国各地の文化や観光資源などの世界への発信 など

 4.地域の観光戦略策定や見直しに不可欠な観光統計の整備・活用と情報発信体制の構築